ECサイト表示速度と購買行動への影響調査
表示速度が購買行動に与える影響
株式会社ギャプライズが日常的にECサイトを利用する20~60代の消費者1,012人を対象に実施した調査で、ECサイトの表示速度が購買意欲や信頼性、さらにはリピート利用にまで大きく影響することが明らかになった。利用者の6割以上は3秒以上の読み込みで「遅い」と感じ、8割近くが表示遅延によって購買意欲が低下すると回答している。
ECサイトの読み込みが遅いと感じる秒数や、ジャンル別に遅さを感じやすいサイトの割合を示したグラフ
3秒超で「遅い」と感じる消費者が6割超
調査によれば、『4秒以上』で遅いと感じる人が34.0%と最多だが、『3秒(25.7%)』『2秒(21.0%)』を合わせると6割以上が3秒以内に遅さを感じている。Googleの推奨指標(LCP 2.5秒以内)や、1秒超でユーザー体験が悪化するという専門家の見解と比べても、日本のEC利用者の感覚はシビアと言える。
遅延を感じやすいジャンルと購買離脱の関係
「旅行・チケット購入サイト」「アパレルサイト」「ECモール」など高画質画像やリアルタイム在庫情報を持つサイトで遅延を感じやすい傾向が見られた。視覚的訴求や情報量が多いジャンルでは、表示速度の最適化がより重要となる。
8割が「表示遅延で購入意欲が低下」と回答
ECサイトの表示スピードが遅いときの閲覧意欲や購入意欲の低下、離脱が始まる時間帯を示す調査結果
「表示スピードが遅いECサイトは購入意欲が低下する」との回答は約8割にのぼる。実際に離脱が始まるのは4秒以上が最多派だが、3秒や2秒の時点で既に6割が購入意欲を失い始めている。
年齢層ごとの離脱傾向と不満点
年代別に、どのような状況でECサイトの閲覧をやめたくなるかを示した調査結果
20~30代は情報探索段階の「なんとなく気になる」際に離脱しやすく、50~60代は「比較検討」や「すぐに購入したい」場合に待たされることを嫌う。全世代で「表示速度の遅さ」「入力項目の多さ」が不満点の上位に挙げられた。
ECサイト利用時に感じる不満点について、年代別の回答割合を示したグラフ
表示遅延が競合流出やカート放棄を誘発
ECサイトの表示が遅いとき、利用者がどのような行動を取るかを年代別に示したグラフ
表示が遅い場合、まず「デバイスや通信環境を変える」行動が多いが、50代以上では「別のECサイトで購入」への切り替えも多い。実際に、別サイトや実店舗で商品を購入した人のうち、5人に1人(17.3%)は本来検討していなかった商品を購入しており、売上流出や顧客離れが起こっている。
購入検討商品や表示遅延が原因で購入に至らなかった経験の有無を示す円グラフ
「カート投入後に表示遅延で購入を断念した経験」は45.9%と、2人に1人が購入直前で離脱したことがある。
表示遅延は信頼性とリピート意向も毀損
ECサイトで表示が遅いときにどのように感じるか、利用者の印象をまとめたグラフ
購入完了後であっても、表示の遅さは『許容できる』とする層が28.3%にとどまり、『信頼感が低減する』(28.1%)、『もう利用したくない』(21.4%)と否定的な印象が拭えない。表示速度はブランドイメージやリピート率にも直結する重要な指標となっている。
表示速度が競合流出と信頼低下を招く時代
ECサイトの表示スピードは、単なる利便性指標を超えて「信頼」の新たな基準になりつつある。3秒の遅延が購買意欲の低下やカート離脱、競合流出、さらにはブランド信頼の毀損に直結するため、今やEC運営者にとってサイト高速化は機会損失を防ぐ最優先事項だ。