多様化する決済システムとデータ活用の実態調査

多様化する決済システムとデータ活用の実態調査

複数決済システム導入が進む一方で運用課題も顕在化

Stripeは小売・飲食・サービス業の実店舗およびEC事業者を対象に、決済手段の多様化とデータ活用の実態に関する調査を実施した。事業者の約8割が複数の決済システム導入による“決済の裏コスト”を実感していることが明らかになった。

決済手段の多様化とインバウンド対応

調査によれば、実店舗・ECともに約半数の事業者が2種類以上の決済システムを導入しており、従業員51人以上の事業者では平均3種類にのぼる。導入理由の最多は「顧客の多様なニーズへの対応」だった。一方で、海外の決済手段に対応している事業者は3割以下にとどまり、インバウンドや越境ECの増加に追いついていない実態も浮き彫りとなった。

店舗決済手段円グラフ店舗で導入されている決済手段の種類数 EC決済手段円グラフECサイトで導入されている決済手段の種類数

増加する“決済の裏コスト”と事業者の負担

複数の決済システム導入によって、約8割の事業者が追加的なコストや業務負担を感じている。主な課題として「セキュリティ対策の手間」(42.5%)や「導入・維持のリソース確保」(48.7%)が挙がり、効率化の必要性が高まっている。

決済コストの内訳グラフ多様化する決済システムによる裏コストの内訳

データ一元管理と活用の壁

決済システムをまたぐデータの一元管理については、半数以上の企業が「できていない」と回答し、さらに約7割が「十分に活用できていない」と感じている。主な理由は「分析・活用する人員や時間の不足」や「システムごとのデータ統合の煩雑さ」が挙げられた。

データ一元管理円グラフ複数決済システムのデータ一元管理状況 データ活用状況円グラフ複数決済システムのデータ活用状況

パーソナライズ施策への期待と競争力

データ活用が進んだ場合に期待される対応として、最も多く挙げられたのは「顧客ごとにパーソナライズしたサービス提案・提供」(21.2%)。顧客体験の高度化とリピーター創出が、今後の競争力強化のカギとなる。

優先対応内容ランキング決済データ活用による優先対応内容ランキング

3Dセキュア導入義務化と現場の課題

2025年3月末までに不正利用対策として3Dセキュアの導入が義務化されたものの、約3割の事業者が導入に伴う手間やコスト負担を課題と感じており、25%以上が未導入という状況だ。セキュリティ強化と運用負担の両立が今後の論点となる。

決済システム最適化が競争力の分かれ目に

多様な決済手段への対応は顧客満足度向上に直結するが、裏コストやデータ統合の煩雑さが経営負担となっている。今後はオンライン・オフラインの決済とデータを一元管理し、パーソナライズ施策へ活用できるかが、EC・小売業の成長を左右する重要な分岐点となるだろう。

広告