クレジットカード情報流出事件統計とEC不正利用傾向レポート2025年次版公開

クレジットカード情報流出事件統計とEC不正利用傾向レポート2025年次版公開

クレジットカード情報流出事件とEC不正利用の最新動向

株式会社リンクとCaccoは、クレジットカード情報流出事件やECにおける不正利用の傾向をまとめた「キャッシュレスセキュリティレポート2025年次版」を公開した。レポートでは、2024年のカード情報流出事件の発覚経緯や、被害額、不正利用の手口、証券口座乗っ取り被害の急増など、最新の統計と分析を示している。

警察指摘によるカード情報流出発覚が増加

2024年に発生したカード情報流出事件では、警察からの指摘による発覚が全体の35.1%を占めた。従来はカード会社や決済代行事業者からの通知が主流だったが、警察による集中的な捜査が進み、2021年からの改ざんが原因となる事案が多く判明。特にEC-CUBEの脆弱性を突いた攻撃が目立ち、加盟店にはシステムの改ざん有無の確認やパッチ適用などのセキュリティ対策が急務となっている。

ECサイトでの不正利用被害が高止まり

2024年のクレジットカード不正利用被害額は555億円と依然高水準にあり、その9割超がECサイトでの番号盗用によるものだった。近年は、フィッシングやクレジットマスター攻撃に加え、入力情報を窃取する「インフォスティーラー」被害の増加が背景にある。また、ECサイトのアカウント乗っ取りも増加し、不正注文の手口が多様化していることが明らかになった。

EMV3-Dセキュア導入後の決済承認率低下と課題

EMV3-Dセキュアの導入により、決済承認率は95%台から85%前後へ低下。YTGATE社の調査では65%以上の消費者が認証エラーを経験し、8割の加盟店が「カゴ落ち増加」を実感している。不正防止と売上機会の両立に向けて、加盟店とイシュア間でのデバイス情報共有や承認率改善のための連携強化が課題となっている。

証券口座乗っ取りやボイスフィッシング被害も拡大

2025年1〜7月の証券口座への不正アクセスは14,069件、不正取引は8,111件、被害総額は6,205億円に達した。犯行手口としては、フィッシングやマルウェアによる認証情報の窃取、口座乗っ取り後の相場操縦などが報告されている。また、銀行の法人口座を狙ったボイスフィッシングによる不正送金も増加傾向にあり、金融業界全体で多要素認証や認証情報管理の重要性が高まっている。

今後のセキュリティ強化への提言

レポートでは、クレジットカード・セキュリティガイドライン6.0版や、警察庁とカード会社の連携強化、流出カード情報の国際カードブランドとの連携開始など、政策面での動きもまとめられている。EC事業者や金融機関にとっては、最新の不正手口や被害動向を踏まえた対策強化が一層求められる状況となっている。

セキュリティ投資と事業継続のバランスが鍵

クレジットカード不正利用や情報流出が高水準で推移し、被害手口も多様化する中、EC・金融事業者にはセキュリティ投資と売上機会損失の最小化という両立が今後の競争力維持のポイントとなる。継続的な脆弱性対策や認証強化、業界横断の連携が不可欠だ。

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