EMV 3-Dセキュア導入によるカード決済承認率の変化数値化

EMV 3-Dセキュア導入によるカード決済承認率の変化数値化

EMV 3-Dセキュア導入の承認率変化を初の数値化

YTGATEが、リンクおよびかっこ株式会社と共同で発表された「キャッシュレスセキュリティレポート2025年次版」に協力し、EMV 3-Dセキュア導入に伴うカード決済承認率の変化を初めて数値化した。これにより不正利用リスクと並行して、正規取引の機会損失が具体的な数値として明らかになった。

新たな指標で可視化された決済の実態

本レポートでは、EMV 3-Dセキュア導入前後の承認率推移や、エラーコード別の否認理由分析、導入事業者の「カゴ落ち」への影響、消費者調査による離脱率把握といった新たな指標が追加された。従来の不正利用額や事件件数といった「守り」の指標に加え、承認率や顧客離脱といった「攻め」の指標も網羅することで、より実務に即したデータ分析を実現している。

増加するカード不正とEC市場の課題

日本におけるクレジットカード不正利用被害額は、2016年の約140億円から2024年には過去最高の555億円へと大幅に増加した。特に番号盗用による被害が9割以上を占めており、ECサイト経由でのカード情報流出も深刻化している。2025年3月には「EMV 3-Dセキュア」導入が義務化され、セキュリティ強化が期待される一方で、認証ステップ増加による決済エラーも増加傾向にある。

また、不正利用発生時の損失負担は、3Dセキュア採用加盟店ではカード会社側へ移行(ライアビリティシフト)するなど、事業者・カード会社・消費者それぞれが複雑な課題に直面していることがレポート結果から裏付けられた。

実務活用を見据えた多角的なレポート

「キャッシュレスセキュリティレポート2025年次版」では、カード情報流出事件や不正利用傾向、金融サービスにおける不正取引、政策動向など、EC事業者やカード会社が直面するリスクと対策を多角的に分析している。業界関係者にとって、最新の不正手口や自社の位置付けを把握するための重要な資料となっている。

セキュリティ強化と承認率低下のトレードオフ

EMV 3-Dセキュア導入は不正利用防止に大きな効果が期待される一方で、正規取引の承認率低下や顧客離脱率の上昇という新たな課題を浮き彫りにした。EC事業者はセキュリティと利便性の最適バランスを模索し、今後の市場成長に備える必要がある。

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