イーベイジャパン2025年第3四半期越境ECレポート公開
米国の関税制度転換で日本セラーに大きな変化
イーベイ・ジャパンは2025年第3四半期(7-9月)の越境EC動向レポートを発表した。今年、米国では800ドル以下の輸入品に適用されていた「デミニミス・ルール」が撤廃され、全ての輸入品に関税が課される新制度が導入された。これを受け、バイヤーの不安や取引途中のキャンセルが発生するなど、日本セラーにとって大きな転換期となっている。
イーベイ・ジャパンは米国向け取引で『DDP(関税込み配送)』の必須化を進めており、購入時に支払い総額が明確となることで、バイヤーの安心感と再購入意欲の向上を狙う。これに伴い、日本セラーの販路多極化の動きも加速し、欧州やオーストラリア、アジア向けの販売が拡大している。
若年層バイヤーと日本カルチャー商品の躍進
2025年第3四半期は、特に若年層バイヤーと日本セラーのつながりが強まった。TikTokで『#japaneseebay』が急上昇し、日本の中古バッグやカルチャー商品が注目を集めるなど、Z世代を中心に日本発アイテムの認知が広まった。
カテゴリーランキングと成長率トップ3
主要カテゴリーではトレーディングカードが引き続き圧倒的な人気を維持。特にポケモンカードは前年同期比約2.35倍、ボックスは約2.54倍の成長を記録した。ONE PIECEカードやマジック:ザ・ギャザリング×ファイナルファンタジーのコラボ商品も好調だった。
2025年第3四半期の取引額TOP10カテゴリーランキング表。レディースアパレルや時計などが上位。
カメラレンズ&フィルターはレポート開始以来初めて成長率トップ3に入り、カメラドローンは前年同期比約62.16倍と急成長。SNS向け映像制作需要の高まりや円安を背景に、DJI製品などのハイエンドドローンが新たな主力カテゴリーに浮上している。
トレーディングカードやカメラレンズ、レコードCDなど成長率TOP3カテゴリーを紹介するインフォグラフィック。
売れ筋商品と注目トレンド
- トレーディングカード:ポケモン、ONE PIECE、マジック:ザ・ギャザリングなどが好調。ボックスや鑑定品も需要増。
- デジタルカメラ・カメラレンズ:SonyやCanonなど大手メーカー品のリファービッシュ出品が拡大。
- カメラドローン:DJI Mini 5 Proなどハイエンドモデルが海外バイヤーに人気。
- レコード&CD:ヴィンテージやジブリサウンドトラックが安定成長。米国市場でも関税の影響が限定的。
- レディースアパレル&時計:CASIOやGUCCIなど日本ブランドの時計が15%の関税ながら取引上位。8月には腕時計が過去最高額の9万ドルで取引。
2025年第3四半期の売れ筋商品を紹介。トレーディングカードやカメラ、ドローンなどが並ぶ。
イーベイ・ジャパンの今後の戦略
イーベイ・ジャパンは、制度変化に対応する公式ツールの強化や、セラーへの実務支援、市場インサイト提供を通じて、ビジネスの持続的成長を後押ししていく方針を示した。今後は、商品・市場・価格・配送の設計力がより一層問われることとなる。
米国関税変更が越境ECの構造を変革
米国のデミニミス・ルール撤廃は、日本セラーの販路戦略と物流オペレーションに大きな影響を与えている。取引の透明性向上や多極化戦略が進む中、日本から世界へのEC販売は制度対応力と柔軟な商品・市場選定が競争力の鍵となりそうだ。