AIカメラが示す店舗DXと防犯の先にある課題解決
EC・店舗Week春で注目を集めたAIカメラの店舗DX活用
2026年4月8日から10日に東京ビッグサイトで開催された「第15回 EC・店舗 Week 春」において、ビックカメラグループの株式会社ラネットはAIカメラ『キヅクモ』を活用した来場者分析を実施した。展示ブースでは多店舗管理やスタッフ保護をテーマに、AIカメラの現場DXソリューションが紹介された。
第15回EC・店舗Week春に出展したラネットのキヅクモ展示ブースの様子。
多拠点管理とカスハラ対策が主要テーマ
展示では、スマートロックと連動したミニチュアドアによる遠隔施解錠デモが注目を集めた。現場に赴かずに鍵の管理やトラブル対応が可能になる点は、特に多店舗展開企業や現場管理者から高い関心を得た。また、法改正を見据えたカスタマーハラスメント(カスハラ)対策も主題となり、映像と音声記録によるスタッフ保護の仕組みが具体的な商談に繋がった。
3日間で1万人超がブース前を通過 実データで来場者動向を可視化
キヅクモカメラのマーケティング機能で計測した結果、ブース正面と側面をあわせた通行者はのべ10,518名、ブース内案内数は約936名(通行者の約8.9%)だった。来場者業種では「製造・メーカー」が16%と最多で、サービス業や小売・飲食も多く、映像DXの関心が業界横断的に広がっていることが示された。
来場者の業種分類を示す円グラフ。製造・メーカーが最多で多様な業界が参加。
来場者の役職分類を示す円グラフ。経営層や部長・課長クラスの割合も高い。
経営層の来場は3割強 DX導入が現場から経営課題へ
来場者の役職分析では、経営・役員クラスが11%、部長・課長クラスを含めると約3割を占めた。AIカメラ活用が備品レベルの導入から、全社的な業務効率化や働き方改革といった経営戦略の一環として評価されている点がうかがえる。
展示会3日間の時間帯別通行人数を示す折れ線グラフ。14-15時がピーク。
時間帯別分析では14時から15時が最も通行量が多く、ピーク時間帯に最適化したスタッフ配置によって来場者対応の質向上にもつなげた。
現場ヒアリングで浮かび上がった3つの課題
- 人手不足下での一人勤務の安全確保ニーズ
- 法改正を見据えたカスハラ対策と音声記録要望
- 多店舗巡回の移動コスト削減への具体的ソリューション
特に製造業では「一人勤務時の安全管理」や「転倒検知」への期待が高く、カスハラ対策では録音・録画の連携による従業員保護が注目された。さらに、遠隔施解錠デモには管理職層から即時導入を検討する声も多く、移動コスト削減の現実解として評価された。
防犯から現場改革と利益向上への期待
今回のデータと現場の声から、防犯カメラの役割が「万が一の備え」から「現場の効率化・利益創出・従業員の安全確保」へとシフトしている。ラネットは今後もビックカメラグループのネットワークを活かし、AIカメラを軸とした店舗DX支援を強化する方針を示した。
AIカメラDXが経営課題解決へ進化
AIカメラによる映像データ活用が、防犯の枠を超え法改正や人手不足など現場の課題解決手段として経営層に認知され始めている。低コストで即導入可能な点も、大規模チェーンや多拠点展開企業にとっては、今後の競争力向上と働き方改革の重要な選択肢となるだろう。