清酒課税数量がピークから約8割減、酒蔵の厳しい経営環境の中「日本酒EC販売戦略セミナー」を11月5日に開催
清酒市場の縮小が加速する中、EC支援企業の株式会社これからは、日本酒を取り扱う事業者向けのオンラインセミナー「日本酒ECの販売戦略~全体設計・SNS・物流~」を2026年11月5日に開催する。セミナーでは、導線設計、SNS集客、物流改革の3つの観点から、高付加価値を正しく伝え購買につなげる方法を解説する予定だ。
清酒市場、長期縮小と米価高騰の二重苦
国税庁「酒のしおり」によると、国内の清酒課税移出数量は1973年度の約170万キロリットルをピークに減少を続け、直近では約40万キロリットルとピーク時の約2割にまで落ち込んでいる。この背景には、消費者の酒類選択の多様化や若年層の日本酒離れがあるとみられる。
清酒の課税移出数量の長期推移、ピーク時から大幅に減少
しかし市場の内訳をみると、純米酒や純米吟醸酒といった特定名称酒の数量は増加傾向にある。平成25酒造年度に9.2万キロリットルだったのが、令和5酒造年度には10.4万キロリットルと約13.6%増加した。単価も上昇しており、消費者が高品質・高付加価値の日本酒を選ぶ傾向が強まっている。
純米酒や吟醸酒の割合が増加する種類別の推移
一方で、原材料の米価格は高騰している。令和6年産の主食用米価格の上昇を受け、酒造好適米の価格や作付けにも影響が懸念される。日本酒の原価に占める原料米の割合は高く、急激なコスト上昇を販売価格に転嫁するのは難しい。酒蔵は嗜好品ゆえの値上げリスクを抱えながら、厳しい経営環境に立たされている。
山田錦や主食用米の販売価格推移、近年の上昇傾向を表示
EC販売が直面する3つの壁
こうした市場環境下で、高付加価値商品を消費者に届けるために自社ECの重要性が増している。しかし、日本酒ECには専門用語の多さによる購入離脱、SNS施策が単発で終わる集客不足、新酒やギフトシーズンにおける物流逼迫という3つの壁が立ちはだかる。
- 【導線の壁】精米歩合や日本酒度など専門用語が多く、初心者が購入前に離脱しやすい
- 【集客の壁】SNS施策が「いいね」獲得にとどまり、購入につながらない
- 【物流の壁】繁忙期の出荷作業が現場を圧迫し、品質管理も困難になる
セミナーで解説する3つの対策
セミナーでは、上記の壁を突破するための具体的なノウハウを提供する。EC全体設計では、用途や味わい別の導線最適化など専門知識がなくても迷わないUI/UXを紹介。SNS戦略では、ターゲット層の共感を呼び、インフルエンサー協業で購入まで導く手法を公開。物流改革では、配送周りの作業時間を4分の1に削減した事例をもとに、繁忙期に耐えうるバックヤード体制の構築法を解説する。
株式会社これから 執行役員 川村拓也
高付加価値訴求が生き残りの鍵
清酒市場の縮小は構造的であり、単なる値上げでは消費者の離脱を招く。蔵のストーリーや品質といった価値をEC上で正しく翻訳し、専門知識のない層にも届ける手法の確立が、今後の酒蔵・酒販店の競争力を左右する。本セミナーは、業界全体のデジタルシフトを加速する実践的な機会となるだろう。