電通デジタル調査、節約志向とAI活用で「買い方の最適化」進む
電通デジタル、購買行動実態調査2026を発表
株式会社電通デジタルは、ECと店頭を横断した「EC・店頭をまたぐ購買行動実態調査2026」の結果を10月27日に公表した。調査は2022年から毎年実施しており、今回で第5回となる。全国の20~69歳の生活者8,700人を対象に、13カテゴリー29商品の認知から購入後までの行動を分析。節約志向の高まりとともに、利便性や情報活用、AI利用が拡大し、「買い方の最適化」が進んでいる実態が明らかになった。
節約志向やAI利用など、増加・減少した購買行動項目を比較した棒グラフ
節約志向と利便性追求が同時進行
2026年調査で増加傾向が顕著だった購買行動として、「クーポンやポイントなど『お得さ』を重視する」が31.4%、「家計の支出を意識して抑える」が25.6%と、節約志向が上位を占めた。一方、「生成AIツールを使う」が12.2%、「ECサイトで購入時に受け取り日時を指定する」が11.9%、「商品自体の安全性を確かめる」が11.5%と続き、支出抑制だけでなく、利便性や情報活用、購入手段の工夫を含めた総合的な「買い方の最適化」が進んでいる。
比較検討がオンライン化、購入後サポートに課題
認知・比較検討・購入の各フェーズにおけるオンライン比率は、2022年比ですべて上昇し、特に「比較検討」が55.6%(同+5.6pt)と最も伸びた。認知は39.2%、購入は32.4%と、比較検討のオンライン化が際立つ。一方、購入後のサポートでは、生活者の期待と企業対応のギャップが縮小傾向にあるものの、返品・交換などのトラブル対応には依然として改善の余地がある。
返品や問い合わせなどの項目別に、生活者の期待と企業対応のギャップを示す棒グラフ
AI活用が全世代に拡大、60代でも1割超
購買行動におけるAI活用サービスの利用経験率は、前年比ですべての年代で上昇。男性20代が45.3%(+5.9pt)、女性20代が32.9%(+9.3pt)と若年層で高く、男性60代が14.9%(+2.4pt)、女性60代が13.7%(+2.3pt)とシニア層でも1割を超えた。今後の利用意向は全年代で3割を超え、世代を問わずAI活用への関心が高まっている。
男女年代別のAI活用率を示す横棒グラフ
商品カテゴリー別では電化製品とインテリアがAI利用をリード
商品カテゴリー別のAI活用状況では、電化製品が「商品提案・レコメンド」14.3%、「FAQ対応」12.1%、「商品説明・レビュー」15.4%と全項目でトップ。インテリアでは「商品提案・レコメンド」が前年比+5.1pt、「商品説明・レビュー」が同+4.7ptと大幅に増加した。商品選びや情報理解を支援するAIへのニーズが、特にこれらのカテゴリーで急速に高まっている。
調査概要
調査は「EC・店頭をまたぐ購買行動実態調査2026」と題し、2026年5月22日~24日にインターネットで実施。全国の20~69歳、スクリーニング1万人を経て本調査8,700人を分析対象とした。対象商品はファッション、美容、食品、電化製品、インテリアなど13カテゴリー29商品。調査項目は認知経路、情報収集、比較検討、購入行動、決済方法、AI活用実態など多岐にわたる。
生活者主導の購買最適化時代
今回の調査は、生活者が節約と利便性を両立させる「買い方の最適化」を自主的に進めている実態を示す。特にAI活用が全世代に拡大し、企業のサポート対応に依然ギャップが残る点は、EC事業者にとっての課題と機会となる。購買前後の体験を統合したサービスの強化が、今後の競争力に直結するだろう。