日本生命×きらぼし銀行企業交流会における中小企業向けAI活用術講演
中小企業向けAI活用術、企業交流会で解説
2026年3月10日、東京都立川市のKOTOBUKIYA-Hallで開催された「日本生命×きらぼし銀行 企業交流会」にて、Meets Consulting株式会社代表の伊藤祐太氏が、中小企業の経営者やEC担当者68名を対象にAI活用術を解説した。講演は、AIの最新動向や実践的な導入手法を60分にわたって紹介し、人手不足解消に向けた即効性のあるノウハウが提供された。
日本生命×きらぼし銀行企業交流会でAI活用術について講演する様子。多くの参加者が熱心に聴講している。
日本の生成AI導入率、先進国と大きな差
総務省「情報通信白書 令和7年版」によると、生成AIの個人利用率は中国81.2%、米国68.8%、ドイツ59.2%に対し、日本は26.7%と大きな差がある。また、日本の中小企業での生成AI導入率も約5%(Taskhub調査)にとどまり、導入が進んでいない現状が浮き彫りになった。AIを使わない理由は「必要ない」「使い方が分からない」が上位を占めている。
講演は「知識→体感→実践」の3部構成
講演は3部構成で実施された。第1部では、2026年の経営環境で起きる「AI格差」を含めた大きな変化を解説。AIが「広告費」ではなく「レビューの質」や「商品情報の充実度」を重視するため、中小企業も戦える余地があるとした。富士通の事例として、AI活用によるシステム改修期間の大幅短縮(3ヶ月から4時間)も紹介。
第2部では、生成AIアシスタント「Claude」を使ったライブデモを実施。クレーム対応メールの下書きや、楽天・Amazon向け商品説明文、SNS投稿文の一括生成など、業務効率化につながる具体例が示された。また、AIを経営者の相談相手として活用する視点も提案された。
第3部では「Claudeへの無料登録」「自社情報発信の見直し」「AIによるメール下書きの習慣化」など、今日から実践できる3つのアクションが推奨された。
AI活用術講演のプレゼンテーション風景。講師が参加者に向けて実践的な内容を解説している。
参加企業の関心と変革意欲
講演後は68社中18社から個別相談が寄せられ、AI導入を具体的に検討する企業も多かった。すでにAI活用を進める企業からはツール選定や人間業務との切り分けの質問が、導入検討段階の企業からは社内データのAI活用や業務変革に関する関心が高まった。経営者からは「勉強になった」「楽しかった」といった前向きな声が多く、AI活用による変革機運が広がった。
登壇者:実務型コンサルタントの伊藤祐太氏
登壇した伊藤祐太氏は、Hult International Business School(米国MBA)最優秀成績者であり、中小企業診断士。Amazon JapanでのECコンサルタント経験や、自らネット販売会社を年商10億円規模に成長させた実績を持つ。現在は累計200社以上のEC・デジタル成長支援を手がける実務型コンサルタントとして、中堅・中小企業のAI活用や成長戦略を伴走支援している。
AI導入遅れが日本企業競争力に影響
日本の中小企業におけるAI活用は諸外国と比べて大きく出遅れており、情報格差や業務効率化の遅れが今後の競争力に直結することが示唆された。今回の講演のような実践的な学びの場が、AI導入のハードルを下げるきっかけとなる可能性が高い。