TikTok Shop日本上陸1年、年間推計約536億円で約14倍に急拡大

TikTok Shop日本上陸1年、年間推計約536億円で約14倍に急拡大

TikTok Shop日本、1年で推計約536億円の市場に

TikTok Shopが日本でサービスを開始してから1年が経過し、その流通額が急成長している。株式会社Nintが公開した「TikTok Shop 日本市場レポート」によると、2025年7月から2026年6月までの年間推計流通額は約536億円に達した。初月の約6.4億円から直近では約88億円となり、1年間で約14倍に拡大したことになる。

一方、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの3大ECモール全体の成長率は同期間で前年比+4.3%にとどまる。TikTok Shopの規模はまだ3大モール全体の約0.5%にすぎないが、急成長のペースは既存チャネルと大きく異なる。

化粧品が最大カテゴリ、ストレス解消グッズが単一首位

カテゴリ構成にも明確な違いが表れている。3大ECモールで最も売上の大きいジャンルは家電(構成比10.8%)だが、TikTok Shopでは化粧品が16.3%で最大だ。これは3大モールの化粧品構成比の約2.8倍にあたる。食品・衣類といった低単価・日常使いのカテゴリも同様に、モールより約2倍高い構成比を示した。

注目すべきは、単一の商品カテゴリで最も売れたのが「ストレス解消グッズ」だった点だ。平均単価は約1,770円で、握って遊ぶフィジェット系雑貨が中心となっている。

フォロワー数と売上に相関なし、中小配信者が売上を牽引

「フォロワーが多いほど売れる」という常識が、TikTok Shopでは通用しない。売上上位300人の配信者を分析した結果、フォロワー5万人未満の層は全体の79%の人数を占めながら、売上の66.2%を生み出した。逆にフォロワー50万人以上の有名インフルエンサーはわずか5人で、売上貢献は2.9%にとどまる。

具体的には、フォロワー約1.3万人の配信者が年間3億円超を販売した事例も確認された。フォロワー規模ではなく、配信内容や商品との親和性が売上を左右する構図が浮かび上がる。

ライブ・動画が生む売上は全体の約17%、食品分野で米が急伸

ライブ配信と動画投稿に直接紐づく売上は、全体の約17%(ライブ8.2%、動画9.2%)を占めた。これは各月の上位集計による下限値であり、実際の比率はさらに高い可能性がある。1回のライブ配信で最高約9,000万円が動いた事例も報告されている。

また、食品カテゴリの伸びが顕著だ。レポート開始当初は構成比2.3%だったが、直近では15~21%にまで拡大した。特に米は、2025年秋以降カテゴリ順位の上位(2~3位以内)に常にランクインしている。

フォロワー神話崩壊が示す新たなECの形

TikTok Shopの1年目のデータが示すのは、フォロワー数に頼らない新しい購買行動の台頭である。ライブ配信や動画を起点とした購買は、従来のECモールと異なる需要を掘り起こしている。ストレス解消グッズや米といった意外なカテゴリの急伸は、プラットフォームの性質が購買を誘発することを物語る。2年目以降、企業はフォロワー数ではなく、コンテンツと商品の接合精度を競う時代に突入するだろう。