バナー差し替えや文言修正、社内完結は32.5% EC運用調査
EC運用の実態調査、軽微な修正も外部依存が常態化
クラウドECプラットフォーム「メルカート」を提供する株式会社メルカートが、EC事業の実務担当者400名とECシステムを入れ替えた企業の担当者200名を対象に実施した「EC運用の実務調査」第1弾の結果を発表した。調査によれば、バナー差し替えや文言修正といった軽微なサイト修正を社内で完結できる担当者は32.5%にとどまり、外部に依頼した場合の37.9%が反映までに1週間以上かかることが明らかになった。
社内完結率と外部依頼時の待ち時間など、EC運用実務の全体像を示すインフォグラフィック
3人に1人しか社内完結できず、外部依存層では待ち時間とコストが倍増
「ほぼすべて社内で完結できる」と回答したのは32.5%で、「半分程度は社内で完結できる」が53.0%、「ほとんど外部に依頼している」が12.0%。合わせて65.0%が外部に頼る場面があると回答した。外部依頼の場合、反映まで「2週間以内」(32.8%)と「1カ月以上」(5.1%)を合わせた37.9%が1週間超の待ち時間を経験している。社内完結範囲別に見ると、反映まで1週間超の割合は「ほぼすべて社内完結」層の23.1%に対し、「ほとんど外部依頼」層では60.4%と約2.6倍に跳ね上がる。
軽微な修正の社内完結率を示す円グラフ、32.5%が社内完結
外部依頼時の反映時間分布、37.9%が1週間超
社内完結範囲別の反映待ち時間、外部依存層ほど長期化
システム更新時も費用手続きが重く、販促施策に影響
システムの更新・改修後に何らかの作業が発生する担当者は92.0%に達し、「費用の見積もり・承認手続きが発生する」は全体の34.5%。この割合は「ほぼすべて社内完結」層の27.7%に対し、「ほとんど外部依頼」層では56.3%と倍以上になる。さらに、システム対応が原因で販促施策を延期・断念した経験がある担当者は78.3%にのぼり、現場のスピード感にシステムの制約が直結している実態が浮かび上がる。
システム更新後に発生する作業項目の割合、92.0%が何らかの作業あり
更新・改修後の費用手続き発生割合、範囲別で大きな差
システム対応が原因で販促施策を延期・断念した経験、78.3%が経験あり
システム入れ替え後も連携制約が時間とコストを圧迫
過去3年以内にECシステムを入れ替えた企業の担当者を対象とした調査では、導入後に「外部システム・ツールとの連携に制約があった」と回答した層の72.1%が、運用が軌道に乗るまで3カ月以上かかった(「いまも運用できていない」を含む)。同層の65.1%は追加費用が当初想定の1.2倍以上に膨らんでおり、連携制約が時間と費用の両面で大きな負荷となっている。
システム入れ替え後の連携制約有無による運用軌道期間と追加費用の比較
生成AI時代のボトルネックは反映工程
生成AIの普及でコンテンツ制作自体は迅速化しているが、本調査はその後の反映工程に待ち時間と手続きコストが残存している実態を浮き彫りにした。市場規模26.1兆円(2024年)に拡大するEC業界において、サイト更新の内製化率と外部連携の円滑さが、販促スピードと収益機会を左右する重要要素となっている。システム刷新だけでなく、日々の運用で「自分たちの手で進められる」体制づくりが、競争力の分かれ目になり得る。
