EC返品見送り32.3%、77.9%が購入行動変化
ECユーザーの3人に1人が返品・交換を見送り
株式会社スポルアップが20〜59歳のECアクティブユーザー300名を対象に実施した「返品経験とその後に関する調査2026」によると、直近1年以内にECで購入した商品を返品・交換した人は43.3%である一方、返品・交換したかったがしなかった人は32.3%に上ることが明らかになった。
直近1年の返品・交換経験と見送り経験の割合(返品43.3%、見送り32.3%)
返品・交換を経験した人のうち63.1%は、別の場面で返品を見送った経験も持つ。返品・交換をしなかった層では見送り経験は8.8%に留まり、返品行動が活発なユーザーほど見送りも経験している実態が浮かび上がる。
返品と見送りの組み合わせ割合(返品も見送りも27.3%)
見送り理由トップ3は手続きの面倒さ、返品不可、送料負担
返品を見送った理由の上位(手続き面倒、返品不可、返送料負担が拮抗)
返品・交換を見送った97名に理由を複数回答で尋ねたところ、「申請や連絡の手続きが面倒だった」32.0%、「返品・交換ができない商品だった」29.9%、「返送料・手数料が自己負担だった」27.8%が上位を占め、3項目はいずれも拮抗している。以下、「期限切れ」20.6%、「ショップの連絡・対応不良」17.5%、「梱包・発送の手間」15.5%、「金額が小さく手間に見合わない」14.4%が続く。
返品経験者の77.9%が買い方を変更、最多は入念な確認
返品経験後の買い方の変化(サイズ表・レビュー確認が最多41.4%)
返品・交換または見送りの経験がある145名のうち77.9%が、その後のECでの買い方に変化があったと回答。最多は「サイズ表・商品説明・レビューをより入念に確認するようになった」41.4%で、「購入前に返品・交換の条件を確認するようになった」27.6%、「返品・交換がしやすいサイトやショップを選ぶようになった」24.8%が続く。「EC利用を控えるようになった」は4.8%と低く、大半が購買行動を変化させつつもEC利用を継続している。
経験の型で見ると、見送った経験のある人では「特に変わらない」が9.3%と極めて低く、返品のみ経験した人では47.9%に達する。見送った経験者は「その商品を買ったショップ・サイトでは買わなくなった」20.6%(返品のみ経験者6.3%)と、行動変容がより顕著だ。
経験別の買い方変化比較(見送り経験者は確認行動増と買い控えが顕著)
年代別では20代が返品最多、50代は見送りも少ない
年代別の返品・交換と見送りの割合(20代返品56.0%)
年代別では、返品・交換した人が20代56.0%、30代49.3%、40代40.0%、50代28.0%と若い世代ほど多い。見送りも20代44.0%が最多で、50代26.7%との差が17.3ポイント開く。性別による有意差は見られなかった。
自由記述から見える実態とEC事業者への示唆
自由記述に見る困ったことと変えたことの要点(手続きや送料負担が中心)
自由記述(77件)では、困ったこととして「手続き・やりとりの手間」が18件と最多。「返品したかったが送料が高くて我慢した」「1000円以下の低価格品だと手続きが面倒で返品しない」などの声が寄せられた。変えたことでは「購入前の確認を入念に」が24件で最多。「返品手数料や送料で費用がかかったため、返品要綱をよく読むようになった」「サイズがあるものは店舗でしか買わなくなった」といった具体的な行動変化が示された。
EC事業者が取り組むべき3つのポイント
- 返品条件の購入前表示:返品可否・期限・送料負担を商品ページで明示し、確認行動に応える
- 手続きの簡素化と連絡窓口の明確化:申請手順や問い合わせ先を見つけやすくし、見送り理由のトップに対応
- サイズ・商品情報の充実:返品発生前の判断材料を増やし、入念確認ニーズに応える
返品障壁がEC購買行動を変える
返品・交換の手続き面・費用面での障壁は、単なる買い物体験の一時的な不満に留まらず、その後の購入行動を恒久的に変化させる。特に見送り経験者はサイト離脱や入念確認といった行動変容が顕著であり、EC事業者にとっては返品ポリシーの最適化がリピート率や顧客満足度に直結する経営課題であることを示唆する。