インドネシアEC不正利用の実態調査と被害の多様化

インドネシアEC不正利用の実態調査と被害の多様化

東南アジアの中でも著しい成長を続けるインドネシアEC市場において、EC事業者の65%が何らかの不正注文被害を経験していることが、かっこ株式会社の調査で明らかになった。市場拡大と共に不正被害の多様化・深刻化が進んでおり、早急な対策強化が求められている。

拡大するインドネシアEC市場と不正被害の現状

インドネシアのEC市場は2028年に868億ドル規模へ拡大し、年平均10.4%成長が見込まれている。人口増加に伴い消費活動も活発化する一方で、不正注文などの被害も増加傾向にある。今回の調査(2025年5月実施、EC事業者100人対象)では、65%が何らかの不正被害を経験していることが判明した。

日本とインドネシアの被害率比較日本とインドネシアのEC事業者における不正注文被害経験の有無を円グラフで比較しています。

被害の内容と被害額の特徴

被害内容を見ると、日本で多いクレジットカード不正利用(6%)とは異なり、インドネシアでは代引き詐欺や偽アカウント注文が多発している点が特徴。特に「代引き(COD)関連の不正」や「他人のアカウント乗っ取り」が高い割合を占めている。

不正被害の種類比較グラフ日本とインドネシアのEC事業者が経験した不正被害の種類を棒グラフで比較しています。

被害額については、約75%が月間100万ルピア(約9,300円)以下の比較的小規模な損失にとどまるが、23%は1万~10万ルピア(約9,300~93,000円)の被害を受けている。高額被害が少ない一方で、事業者にとっては継続的な損失となっている。

被害額の割合円グラフインドネシアEC事業者の不正利用による月間被害額の分布を円グラフで示しています。

対策の現状と運用課題

インドネシアEC事業者の5割以上が手動モニタリングや不正検知システムを活用しているが、日本で主流の3Dセキュア導入は22%にとどまる。依然として人的監視依存度が高く、月間11~20時間の監視業務に時間を割いている事業者が多い。

監視時間の分布円グラフ手動による不正監視に費やしている月間時間の分布を円グラフで示しています。

人的コストやオペレーション遅延、判断のばらつきによる誤検知のリスクも顕在化しており、効率化や自動化への移行が今後の課題となる。

市場成長に伴う不正対策の自動化ニーズ拡大

インドネシアEC市場の急成長に比例し、不正被害も多様化・複雑化が予想される。特有の被害傾向や高い人的依存度を踏まえ、リアルタイム検知や自動化による効率化の必要性が今後一層高まるだろう。