3.3兆円リユース市場が直面する人口停滞とデジタル活用の新潮流

3.3兆円リユース市場が直面する人口停滞とデジタル活用の新潮流

リユースフェス2026開催 業界の課題と針路を議論

2025年9月29日から30日にかけて、株式会社ワサビが事務局を務めるリユースフェス事務局主催による「リユースフェス2026」が開催された。オンラインとオフラインを融合したハイブリッド形式で行われ、リユース関連企業やスタートアップが集い、市場の現状や今後の方向性を議論した。

リユースフェス集合写真リユースフェス2026の集合写真。多くの参加者がステージ前で記念撮影をしています。

3.3兆円市場の成長と「リユース人口停滞」の課題

リユース経済新聞の瀬川淳司氏は、2024年に3.3兆円に到達し15年連続で拡大するリユース市場の好調ぶりを紹介した。一方で、環境省調査によれば「1年以内にリユースを利用しなかった人」が増加傾向にあると指摘。市場成長の主因は物価高による節約志向やインバウンド需要だが、新規利用者の増加が鈍化し、「リユース人口」の停滞が最大の課題となっている。市場規模は拡大する一方で、体験価値の低下やヘビーユーザーへの依存が課題とされる。

市場推移グラフ発表登壇者が市場規模の推移を示すグラフを使い、リユース市場の現状を解説しています。

EC販売力強化の3つの鉄則 データと信頼性が鍵

eBay、LINEヤフー、メルカリショップス、SODA(SNKRDUNK)などの専門家によるセッションでは、リユース販売を最大化するための3つの鉄則が共有された。第一は販路の分散で、各ECモールの特性を活かしたチャネル拡大。第二は出品データの徹底活用で、販売傾向を的確に把握すること。第三はオーセンティシティ(真贋鑑定や丁寧な商品説明)を通じた信頼構築である。

ローカル集客と信頼構築 地域連携や口コミ設計の重要性

ジモティーやマーケットエンタープライズ、Faber Companyが登壇したセッションでは、「地方こそ勝機がある」との視点から、失敗談も交えたローカル集客のノウハウが語られた。オフラインではコミュニティスペース化や自治体連携による信頼性強化、オンラインではGoogleマップの口コミ設計や紹介動線の最適化が重要とされた。

パネルディスカッションリユースフェスのパネルディスカッションの様子。複数の専門家が意見を交わしています。

グローバル交流と新たなネットワーク構築

イベントでは、参加者同士の交流を促進する名刺交換会を実施。チーム対抗形式やローテーション方式により、多様なネットワークが生まれた。日本企業に加え海外参加者も集まり、リユース技術や理念の国際的な共有が進んだことも大きな成果となった。

名刺交換会の様子リユースフェスの名刺交換会。参加者同士が交流し、ネットワークを広げています。

業界の針路 オンラインとオフラインで信頼の再構築

リユース業界は成熟期を迎え、「信頼の再構築」と「デジタル・データ徹底活用」の両輪が不可欠となっている。ECでは真贋鑑定やデータドリブン戦略、ローカルでは地域密着の取り組みや口コミ強化といった、信頼に基づく体験価値向上が業界の次なる成長の鍵となる。

成長から成熟へ 信頼とデータが切り拓く未来

リユース市場は拡大を続ける一方で、リユース人口の停滞や体験価値の低下が顕在化している。今後は、デジタル技術の活用と信頼性の再構築による顧客基盤の拡大、ローカルとグローバル双方でのネットワーク強化が不可欠となる。業界全体が「真の価値」を問われる局面にある。