SNS口コミライブコマース時代の新EC戦略議論
SNSとライブコマースが生み出す購買行動の変化
SNSやライブコマースを起点とした購買行動が拡大する中、美容・日用品メーカーのマーケターやEC担当者向けに最新のEC戦略を議論する勉強会が2025年12月4日に開催された。C Channelが主催し、SNSマーケティングやTikTokコマースの実践者が登壇した本イベントは、世代やチャネルごとに異なる購買行動や、ライブコマースで売れる商品の特徴など、実務に直結する知見が多く共有された。
C Channel主催のSNSマーケティング勉強会の会場風景。登壇者による講演や参加者の交流の様子が写されています。
「売る場所」から「顧客理解の資産」へと進化するEC
元花王の生井秀一氏は、「ECは単なる販売チャネルではなく顧客理解のための資産」としての役割が高まっていると指摘。商材によってECの有効性は異なり、洗剤など重くて大きい商品はECでの販売が適し、体験価値が重要な化粧品やスキンケアは店舗との連携が不可欠だとした。また、若年層はTikTokなどSNSで情報収集を行い、30代以降はFacebookやXの利用が根強いなど、世代によるチャネルの違いも浮き彫りとなった。
ライブコマース成功の鍵と商品カテゴリーの特性
ULTRA SOCIALの高橋亮太氏は、TikTokライブで売上を生み出すための要素として「商品説明」「プロモーション(見せ方)」「オファー(値引きや特典)」の3つを挙げた。特にTikTokでは一方向的な説明だけでは売上につながらず、1対1感やオファー設計が重要になるという。ライブコマースで売れやすいのは単価4,000円以上の商品で、日本市場では米や蟹など食品カテゴリーも上位に入る。地方生産者とつなぐライブ施策は単発で数百万円規模の売上も生む事例が共有された。
2026年に勝つブランドの条件とAI活用の展望
今後のブランド戦略については、社内でEC・SNS・店舗などの領域を横断して考えられる人材の重要性が強調された。オンラインとオフラインのタッチポイントが分断されている現状を乗り越え、顧客がストレスなく行き来できる体験設計が求められる。SNSで話題化し完売した事例や、AI生成動画を活用した新しい動画マーケティングの潮流も紹介。登壇者全員が、SNS起点の購買行動はさらに加速し、AIとコマースの融合が今後の成長ドライバーになると展望を語った。
SNS起点とAI融合がEC成長を牽引
SNSやライブコマースなど新たな購買チャネルの台頭により、ECの役割や戦略が大きく変化している。今後はオンライン・オフラインを横断した顧客体験の設計や、AIを活用したマーケティングが、ブランド競争力の決定的な要素となる可能性が高い。