衣料品の安全性不安67.8%、海外通販に警戒感
一般財団法人ニッセンケン品質評価センターが全国の20~69歳の男女1,030人を対象に実施した意識調査で、海外通販サイトで販売される衣料品の安全性に不安を感じる消費者が67.8%に上ることが明らかになった。この調査は、越境EC市場の拡大と衣料品の安全性に関する生活者の意識を把握する目的で行われ、品質や認証マークが購買行動に与える影響も浮かび上がった。
衣料品の安全性に関する意識を示す積み上げ棒グラフ。海外通販への不安が最も高い
海外通販の衣類に安全不安、50代女性で76.7%
調査によると、「海外通販サイトの衣類は安全面で不安がある」と回答した人は全体の67.8%で、衣料品の安全性に関する7項目の中で最も高い割合を占めた。性年代別では女性50代が76.7%でトップ、次いで女性20代と女性60代がそれぞれ72.8%と続く。ニッセンケンは、海外通販で購入した衣類の安全性を判断する基準が乏しいことが不安の背景にあるとみている。
性年代別に見た海外通販の衣類の安全不安を示す棒グラフ。女性50代が最も高い
化学物質への不安44.3%、肌触り重視62.0%
衣料品に含まれる化学物質や有害物質への不安を感じる人は44.3%に達した。一方、「直接肌に触れるものは品質にこだわりたい」という人は62.0%、「将来の健康を意識して安全なものを選びたい」という人は55.4%で、品質と安全性を重視する意識が強いことが確認された。
安全性が信頼できれば46.0%が値ごろ感容認
「安全性が信頼できる製品であれば多少価格が高くても購入する価値がある」と回答した人は46.0%に上った。価格だけでなく安全性に価値を見いだす消費者層が一定数存在し、認証マークなどの信頼性情報が購買判断に影響を与える可能性を示した。
第三者認証で66.7%が乗り換え意向
第三者認証の効果について、エコテックス認証のコンセプトを説明した上で、普段気に入って購入している1,500円の下着(認証なし)と他社の認証付き商品を比較した場合、66.7%が認証付き商品への乗り換え意向を示した。この結果は、第三者認証が商品選択における重要な判断材料となり得ることを示す。
エコテックス認証の有無による購入意向を示す円グラフ。同価格なら認証付に乗り換える人が多い
越境EC拡大と安全規制の乖離に警鐘
経済産業省の調査によると、2024年の越境EC市場規模は前年から増加し約4,410億円に拡大。しかし厚生労働省の試買調査では、オンライン販売された繊維製品105点のうち4点でホルムアルデヒドの基準値超過が確認されている。市場拡大と安全性確保のギャップが消費者不安を助長しており、認証ラベルや第三者機関の役割が重要性を増している。
認証がEC購買判断の新指標に
消費者の約7割が海外通販の衣料品に不安を感じ、半数近くが安全性に対してプレミアムを支払う意思がある。越境ECの成長が続く中、第三者認証は価格やデザインに次ぐ購買判断基準として定着する可能性が高い。EC事業者にとっては、認証取得が差別化と信頼獲得の鍵となり得る。