カウシェ累計資金調達額46億円突破とAI発見型ECモデル成長
カウシェがシリーズCで累計46億円を調達
お買い物アプリ「カウシェ」を運営する株式会社カウシェは、シリーズCラウンドでの第三者割当増資とデットファイナンスにより、累計資金調達額が約46億円に到達した。今回の調達にはデライト・ベンチャーズがリードし、三井住友海上キャピタルなど複数社が参画している。
カウシェは調達資金をもとに、AIと人の知見を組み合わせたハイブリッド開発体制の強化、経営基盤の拡充、人材採用を加速する方針を示している。2025年7月・8月には採用イベントも予定されており、組織拡大への意欲がうかがえる。
日本のEC化率は依然として低水準
経済産業省の調査によれば、2023年の日本の物販分野のEC化率は9.38%。世界平均の19.4%と比較して依然として低いレベルに留まっており、サービス分野を含めても13.7%と先進国と比べて大きな伸びしろがある。
日本と世界主要国のEC化率比較(2023年)
2023年の日本のBtoC-EC市場規模は約15兆円。EC化率が1ポイント上昇するだけで約1.5兆円の経済効果が生まれるとされ、市場拡大のポテンシャルは大きい。
EC化率1%上昇時の日本市場への経済効果
AI発見型ECモデルへの転換と400万DL突破
カウシェは2020年にシェア買いアプリとしてスタートしたが、2023年以降は共同購入型からAIを活用した発見型ECモデルへと大きく方針転換。「欲しいものを探す」から「欲しいものに出会う」体験の提供へシフトした。
このプロダクト刷新により、2025年5月には累計ダウンロード数400万を突破。GMVや売上総利益も大きく伸長しており、サービスの新たな成長曲線がグラフで示されている。
カウシェのダウンロード数・GMV・売上総利益成長推移
ストックオプション制度を拡充し人材採用強化
カウシェは経営管理体制の強化と並行し、「一定期間の就労を条件に退職後も権利保持が可能なストックオプション制度」を導入。スタートアップ転職の障壁を下げ、多様な人材の参画を促進している。
EC体験刷新へ向けた投資家・社外取締役の評価
社外取締役の原田明典氏(株式会社Coalis)は、カウシェが事業構造を再設計し大幅なエコノミクス改善を果たした点、ユーザーファーストな文化を高く評価し、「今後5年でEC体験の常識を塗り替える」とコメント。
株式会社Coalis 原田明典氏(社外取締役)
また、デライトベンチャーズの南場智子氏や三井住友海上キャピタルの細谷裕一氏など投資家からも、カウシェのEC体験刷新や組織体制強化への期待が寄せられている。
国内ECの成長余地に挑むAI発見型モデル
カウシェの本格的なAI活用と発見型ECモデルへの転換は、EC化率が依然低い日本市場における新たな成長ドライバーとして注目される。効率や価格競争に偏りがちな国内ECにおいて、「楽しさ」や「発見」を起点とした購買体験の拡大が、未開拓市場の需要喚起やEC市場全体の底上げにつながる可能性が高い。