2025年EC返品交換データレポート返品交換体験がLTVを2倍以上に押し上げる
返品・交換体験がECのLTV向上に与える影響
Recustomerは、2025年におけるECの返品・交換データを集計した「2025年 EC返品・交換データレポート」を発表した。約1,700万件超の注文・返品・交換データを分析した結果、返品・交換体験がLTV(顧客生涯価値)や再購入、業務効率化に大きな影響を与えていることが明らかになった。
返品・交換経験者のLTVは2倍以上に
返品・交換を経験したユーザーは、未経験ユーザーと比較してLTVが2倍以上の水準で推移する傾向が確認された。返品・交換が単なるトラブル対応ではなく、満足度の高い購買体験の一部として機能し、ブランドへの信頼や再購入意向を高めている。
返品交換体験者のLTVが2倍以上に向上することを示す棒グラフ。ジャンル別の詳細も掲載。
返品・交換対応の繁忙期は4月と10月
年間を通じて一定数発生する返品・交換だが、特に新商品が多く立ち上がる春・秋(4月・10月)に対応負荷が集中する傾向が明らかになった。この時期はサイズ感やイメージ違いによる返品・交換が増えるほか、物流やカスタマーサポートの負担増が顕著となる。
4月と10月に返品数・率が高まる傾向を示したグラフ。繁忙期の可視化。
5人に1人が交換を選択 売上維持に寄与
返品リクエストのうち約20%は返金ではなく「交換」が選ばれている。返品申請時点で交換候補が提示されるなど、交換を前提としたUX設計が交換率の向上と売上機会の損失抑制につながっている。返金では失われていた売上が、交換対応によって維持されるケースが多い。
ジャンル別の交換率や売上維持への影響など、交換誘導の効果を示したインフォグラフィック。
業務自動化によるCS負荷軽減と再購入促進
CS対応の自動化によって、年間で約5万時間規模の工数削減が実現している。繁忙期でも品質を維持した対応が可能となり、お試し購入などの施策が初回購入の不安を減らし、再購入を後押しする効果も見られた。
今後のEC事業運営に必要な視点
- 繁忙期(4月・10月)を前提としたオペレーション・在庫設計
- 返品・交換体験を含めたLTV最大化のためのCX設計
- 物流費高騰に対応した柔軟な返品・交換ポリシー設計
返品・交換をコストではなく、顧客ロイヤリティや売上維持の戦略的な顧客接点として捉え直すことが、今後の成長の鍵となる。
返品・交換の月間トレンドやLTV向上率、CS対応削減時間など、主要データをまとめたインフォグラフィック。
返品・交換体験の事業成長への戦略的活用
返品・交換体験を戦略的に設計することで、顧客のLTV向上や売上維持に大きく貢献できることが明らかになった。特に繁忙期への備えや交換体験の最適化は、EC事業者の競争力強化に直結する。返品・交換を“抑制”から“活用”へと発想転換することが、中長期的な事業成長のポイントとなる。