ブラックフライデー期間の注文急増と返品対応の課題
ブラックフライデーで注文数が大幅増加、返品申請も増
EC事業者向け購入後体験プラットフォームを提供するRecustomer株式会社が、同社サービス導入20ブランドを対象にブラックフライデー期間中の売上・注文数・返品申請数の変化を調査した。結果、期間前比で売上は平均178.8%、注文数は160.5%に増加し、ブラックフライデーの経済波及効果が鮮明となった。一方、返品申請数も同132.2%に増加している。
ブラックフライデー期間における売上と注文数の上昇率を示す棒グラフ。売上は178.8%、注文数は160.5%に増加。
一部ブランドで返品申請が注文増加率を上回る
全体では売上・注文数の伸びに対し返品申請の伸びは比較的緩やかだったが、ブランドごとの内訳をみるとアパレルやアウトドア分野を中心に、返品申請数が注文数増加率を上回る事例が判明。例えば、あるブランドでは注文数が333%増に対し返品申請数が512.5%増、別ブランドでは注文数707%増に対し返品申請数720%増といったケースがあった。これは、サイズ確認を目的とした複数購入やセール品の衝動買いによる返品申請の急増が背景にあると考えられる。
ブラックフライデー期間中、返品申請数が132.2%に増加したことを示す棒グラフです。
「セール品は返品不可」でも申請増、CS現場の負担増大
多くのブランドが「セール品の返品不可」ポリシーを採用しているにも関わらず、返品申請数が増加している点が今回の調査で浮き彫りとなった。顧客が返品ポリシーをよく確認せず申請したり、可能性にかけて申請するケースが増えている。結果として、カスタマーサポート現場では「返品不可」の説明や対応工数が増大し、売上に直結しない業務負担が拡大している。
EC事業者に求められる購入後体験の最適化
売上増加に伴う返品対応の効率化はEC事業者の利益率と顧客満足度維持に直結する。システムによる返品申請の自動化やセール品の自動否認など、購入後体験を最適化する取り組みが今後重要となる。Recustomerなどのツール導入により、カスタマーサポート体制の強化と現場負担の軽減が期待される。
売上急拡大の裏に潜む返品対応コスト増
ブラックフライデーの売上・注文数増加はEC事業者に大きな成長機会をもたらす一方、返品申請や問い合わせの急増がCS現場の負担や利益率低下リスクとして顕在化している。効率的な購入後体験設計とシステム化による「見えないコスト」の最小化が、今後の競争力強化に不可欠だ。