丸井グループの館内物流システムトコハコ導入拡大
トコハコ、商業施設での導入を加速
丸井グループ傘下の物流事業会社ムービングが提供する館内物流システム「トコハコ」が、名鉄NX運輸が物流業務を担う愛知県一宮市の複合商業施設「イチ*ビル」に採用された。館内物流のDX化を推進する同システムは、商業施設やオフィスビルでの導入が進み、今後の業界標準化にも注目が集まっている。
商業施設内で物流作業を行うスタッフの様子を撮影した現場写真です。
館内物流DXで業務効率化と省人化を実現
「トコハコ」は、テナントごとの荷物集荷・配送の一括管理をデジタル化し、館内搬送業務の効率と正確性を大幅に高める特許取得済みシステムである。従来アナログ管理が中心だった現場において、作業履歴や荷物のトレーサビリティを一元管理し、問い合わせ対応や伝票作業の負担を軽減。さらに直感的に操作できるアプリとウェアラブル端末の活用により、標準化・省人化が進み、現場の生産性向上に寄与している。
物流現場でウェアラブル端末を使いアプリを操作するスタッフの様子です。
データ活用で業務改善 導入効果も
リアルタイムで作業データをダッシュボードに可視化し、当日の進捗や人員適正配置を支援する。月次データの本社・現場間共有も可能で、中長期的な業務改善や処理の迅速化が図れる。実際に導入現場では作業時間約2割、精算業務時間で約8割の削減効果が報告されており、物流現場の人手不足解消や生産性向上に寄与する点が評価されている。
配送状況や作業進捗、フロア別配送数などを可視化したダッシュボード画面です。
イチ*ビル導入の背景と市場インパクト
「イチ*ビル」は名鉄一宮駅直結の利便性と多様なテナントを持つ新拠点。名鉄NX運輸が館内物流を受託し、オペレーション効率化と安全性向上の観点からトコハコ導入を決定した。物流現場のDX化が進む中、複合商業施設での具体的な導入は今後の業界全体の効率化や新たなビジネスモデル創出に波及する可能性を持つ。
名鉄一宮駅直結の複合商業施設「イチ*ビル」の外観写真です。
物流現場の課題と今後の展望
EC市場の拡大や物流の2024年問題を背景に、館内物流も効率化とDXが急務となっている。ムービングはトコハコに加え、EC商品の店舗受取・返品サービス、3PL(サードパーティ物流)、オフィス引越しなど多様なサービスを展開し、小売とフィンテックを融合させた丸井グループのビジネスモデルを物流面で支えている。今後も館内物流の標準化やデータ活用による新たな付加価値創出が期待される。
複合商業施設物流のDXが加速
トコハコの導入拡大は、複合商業施設における物流のデジタル化と省人化の流れを加速させる。実績データが示す業務効率化や生産性向上は、今後同種施設でのDX導入の後押しとなり、物流現場の人手不足やコスト増への対応手段として業界全体への波及が見込まれる。