SD export 2025年BtoB越境ECランキング発表と市場変動
世界の越境EC市場に影響を与える政策と消費トレンド
BtoB向け海外卸販売サイト「SD export」が、2025年の越境EC市場ランキングと2026年の展望を発表した。米国の関税政策や輸入規制の強化、デミニミス制度の廃止など、外部環境の変化が市場構造に大きな影響を与えている。こうした動向を背景に、国ごとの流通額や売れ筋カテゴリの変化が注目されている。
イギリスが国別流通額伸び率で首位
2025年の国別流通額伸び率ランキングでは、イギリスがトップとなった。続いて中国、オーストラリアといった主要市場も高い伸びを示しており、為替や政策の変動が需要に影響していることが読み取れる。
イギリスや中国など主要国の取引伸び率をランキング形式で示した表です。
日本製「食器」と「筆記具」が定番商品に
越境ECの人気商品ランキングでは、各国共通で「食器」と「筆記具」が上位にランクイン。特に消せるボールペンや多機能ペンなど、高機能な日本製筆記具が幅広い評価を受けている。
中国、オーストラリア、ヨーロッパの人気商品カテゴリランキングをまとめた表です。
推し活・ぬい活関連商品の需要が世界的に拡大
2025年は「ぬいぐるみ」をはじめとする推し活(Oshikatsu)関連商品が各国で売れ筋となった。アニメやアイドル文化の浸透を背景に、アクリルスタンド専用ケースや痛バッグ、ぬいポーチなど、日本発のカルチャー商品が新たな輸出カテゴリとして存在感を高めている。
2025年に注目されたステーショナリー、手芸クラフト、推し活系商品の売れ筋を紹介する図です。
手芸クラフトカテゴリの成長とSNSトレンドの影響
手芸クラフト分野では購入会員数が前年比13.6%増、売上も7.6%増と堅調に推移。特に「刺し子(SASHIKO)」や「ブーケブランケット」などSNS発のトレンドが、糸・毛糸カテゴリの前年比52.4%増という大幅な伸びを牽引した。
2026年は抹茶・スタンプ・サステナブル分野に注目
2026年に向けては、「抹茶」「スタンプ」「エシカル・サステナブル」が注目カテゴリとして挙げられる。抹茶はSNSとインバウンド需要を背景に、米国や欧州でラテ用商品が人気。茶器の受注額は前年比2.20倍、米国では2.48倍に達している。
日本の実印文化をルーツに持つスタンプは、海外でギフトカードやキャラクターグッズとして親しまれつつあり、ランキングにも入るなど新たな市場を形成している。
日本の実印文化に由来し、海外でも人気のかわいいデザインスタンプ商品写真です。
また、サステナビリティ意識の広がりを背景に、耐久性や天然素材、職人技による小ロット生産など、日本のものづくり精神が世界の消費者から再評価されている。台湾の展示会での再資源化陶器や電気窯による製品など、持続可能な製造技術への関心も高い。
米国のデミニミス制度廃止が与える影響
2025年8月に米国で800ドル以下の輸入品に適用されていた免税制度(デミニミス)が廃止されたことで、通関や配送の負担増加といった課題が顕在化している。輸出事業者にとっては、引き続き政策変動への柔軟な対応とローカライズ戦略が不可欠となっている。
政策変動下での日本発商品と新市場
2025年は米国の制度変更や関税強化による影響が大きかった一方、日本の技術・文化を活かした商品が新たな市場を切り拓いている。今後は推し活やサステナブル分野など、日本独自の価値がグローバルECの成長を牽引する可能性が高い。