Visa調査に見るEC市場拡大と決済体験向上の重要性
EC市場拡大と決済体験への関心高まる
ビザ・ワールドワイド・ジャパン(Visa)が実施したオンライン決済に関する調査結果から、国内EC市場は今後も拡大傾向が続くことが明らかになった。一方で、事業者・消費者の双方において「よりスムーズで安心できる決済体験」の重要性が高まっている。
85%の企業がオンライン売上増加を予測
オンライン販売を行う法人のうち、85%が今後のEC売上増加を見込んでいることが分かった。特に企業規模が大きいほど成長期待は高く、EC市場のさらなる成長が見込まれる。
85%の企業がオンライン販売の売上増加を見込む調査結果
導入している決済手段ではクレジットカードが約86%と圧倒的に多く、利便性やセキュリティ面が選定理由の上位となった。しかし、約8割の事業者が購入プロセス中の離脱を課題認識しており、特に大企業ではその傾向が強い。
購入離脱要因としては、カード情報や氏名などの入力が「面倒」と感じて離脱するケースが29%を占めた。また、今後の継続的な課題として38%がサイバーセキュリティや不正取引対応を挙げ、UX(ユーザー体験)と安全性の両立が事業運営の鍵となっている。
消費者もEC利用拡大と決済時の不安を実感
消費者側でも、過半数が3年前よりもオンラインショッピングの利用回数・金額が増加したと回答。利用する決済手段は「クレジットカード」が最多で、ポイント付与(55%)、決済の速さ(43%)、手間の少なさ(37%)が主な理由となっている。
一方で、購入途中の離脱経験が多く、カード情報入力や認証に「不安」を感じた消費者は56%、不便さを感じた層は31%にのぼる。特に毎回カード情報を入力する利用者ほど離脱傾向が強まっており、決済時の手間や心理的負担が顕在化している。
スムーズかつ安全な決済サービスが今後の成長ドライバーに
調査結果から、EC市場の拡大にはUXとセキュリティ両面の進化が求められることが浮き彫りとなった。こうした課題意識から、入力の手間や認証ストレスを減らし、「簡単・早い・安全」なチェックアウト体験を実現するクリック決済(Click to Pay)など、省力化された決済サービスへの関心が高まっている。
Visaは今後も安心・安全で利便性の高いシームレスな決済体験の提供を目指すとし、ユーザー体験とセキュリティの両立が日本のEC市場成長の鍵となりそうだ。
EC成長にはUXとセキュリティ両立が不可欠
国内EC市場の成長は今後も堅調と見られるが、競争激化や消費者の選択肢増加を背景に、ユーザー体験・決済プロセスの省力化とセキュリティ強化が事業成否を左右する要素となっている。事業者は「離脱防止」と「安心・安全な環境」の両立を推進する取り組みが今後さらに重要になるだろう。