小売業の商品情報管理とデジタル変革実態調査
小売業における商品情報管理の現状と課題
株式会社Contentservが、年商50億円以上の国内小売業101社を対象に、デジタル変革と商品情報管理(PIM)に関する実態調査を実施した。SKUや販売チャネルの拡大が進む一方で、商品情報の多くが手作業や属人化、分散的なツールに依存している現状が明らかとなった。
SKU・チャネル増加で高まる情報管理負荷
調査によれば、各販売チャネルで5,000SKU以上を取り扱う企業は約4割に上る。うち22.8%は10,000点以上の商品を管理しており、商品情報の量や更新頻度が加速度的に増加している。これにより、情報整備の負荷や、現場での対応スピードが大きな課題となっている。
各チャネルでのSKU数分布(Contentserv調査)
オムニチャネル化の加速、アマゾン・楽天が追加候補に
現在、57.5%の企業が「実店舗+EC」の2チャネル運用を行っているが、今後1年以内に新たな販売チャネルを追加予定の企業は45%を超える。追加候補の上位にはAmazon(30.7%)、楽天市場(27.7%)が挙げられ、オムニチャネル化への対応が進展している。
今後追加予定の販売チャネル調査(Contentserv調査)
情報基盤の未整備と属人化の現状
商品情報の管理方法は「ECサイト管理画面」47.5%、「在庫管理システム」44.6%、「Excel・スプレッドシート」39.6%など、複数ツールへの分散が目立つ。専用のPIMツールを活用している企業は20.8%にとどまり、統合的な情報基盤の構築が進んでいない。
商品情報管理ツールの利用状況
サプライヤー連携の課題と手作業の実態
商品情報の取得方法は「Excel・PDFで受領し手動入力」が37.6%と最多を占め、サプライヤーとの情報連携の多くが手作業によるものとなっている。これが業務負荷や情報の正確性・タイムラグの要因となっている。
メーカー・ベンダーからの商品情報取得方法
商品情報管理への投資意向と導入障壁
約9割の企業が商品情報管理を「重要」と認識しており、23.8%は「積極的に投資したい」、45.5%が「必要に応じて検討」と回答。背景にはオムニチャネル戦略の中核として情報基盤の整備が求められている。導入の障壁には「コストの高さ」(46.7%)、「運用コスト」(41.6%)、「既存システムとの連携の難しさ」(35.6%)などが挙げられている。
情報管理ツール導入時の懸念点
調査概要
- 調査名:小売業におけるデジタル変革と商品情報管理に関する調査
- 実施期間:2025年6月16日~6月18日
- 調査方法:インターネット調査
- 対象:年商50億円以上の小売業経営者・担当者101名
オムニチャネル化に不可欠な情報基盤強化
SKU数や販売チャネルが増加する中、手作業や分散管理が情報整合性や効率化のボトルネックとなっている。多くの小売企業が課題を認識しつつも、コストや既存システム連携の壁がPIM導入を阻む現状が浮かぶ。今後の競争力強化には部門横断的な情報基盤の再構築と、柔軟なチャネル対応力が不可欠となるだろう。