AIで商品決定後、6割がECサイト移動に不満、価格不一致で76%に拡大

AIで商品決定後、6割がECサイト移動に不満——価格不一致で76%に拡大
株式会社メルカートが2026年8月19日に発表した調査結果によると、AI(ChatGPTやGeminiなど)で商品を決めた後、外部ECサイトへ移動して購入する際に不満を感じる消費者は60.5%にのぼる。特に、AIの回答と実際の販売価格にズレを経験した層では不満が76.0%まで高まり、AIが生み出した購買意欲が「移動摩擦」によって失われる実態が浮き彫りとなった。
AIで商品が決まってもECサイト移動に不満が生じる実態をまとめたサマリー
移動摩擦の実態——60.5%がネガティブ、若年層ほど顕著
調査は20〜60代の消費者400名を対象に実施。AIとの相談で商品が決まった後の外部ECサイト移動時の感情を尋ねたところ、「改めてECサイトで検索し直したり、ログインしたりするのが非常に面倒」(25.0%)、「AI画面とECサイトの情報に差がないか不安」(21.8%)、「移動自体が手間に感じ購入を諦めることがある」(7.5%)など、計60.5%が何らかのネガティブな感情を抱いている。年代別では20代が71.3%と最も高く、女性20代では75.0%に達した。
AIで決めた後、外部サイト移動時に感じるネガティブとポジティブの割合
性年代別に外部サイト移動へのネガティブ度合いを示し、女性20代が最も高い結果
価格不一致が摩擦を増幅——「たまにある」層で76.0%
AI回答と販売サイトの価格が異なり混乱した経験がある消費者は63.0%にのぼる。この価格ズレの頻度と移動時のネガティブ感情をクロス集計すると、「全くない」層では25.6%だったのに対し、「たまにある」層では76.0%と約3倍に拡大。価格情報の不一致が移動摩擦を大幅に悪化させていることが明らかになった。
AIの回答と販売サイトの価格差に混乱した経験が63.0%に上る傾向
価格ズレ経験別に移動時のネガティブ割合を比較、「たまにある」層が76.0%を示す
AIヘビーユーザーほど購入代行を希望
AI利用頻度が「ほぼ毎回」の層では、購入手続き代行機能を「積極的に利用したい」とする割合が53.8%に達し、ライト層(数回程度)の15.0%の約3.6倍となった。AIでの買い物体験を重ねるほど、移動摩擦を回避する代行機能への期待が高まる傾向が確認された。
AI利用頻度が高いほど購入代行を望む傾向が強く、「ほぼ毎回」層は53.8%
日用品の1万円未満購買からAI委任が始まる
消費者がAIに購入を委ねる領域として、「日用品のルーチン購入なら利用したい」が38.5%で最多。また、任せてもよい金額の上限は「1万円未満」が63.5%を占めた。こだわりの少ない日用品を、失敗が許容される低価格帯からAI委任が進む可能性が示唆された。
AIに任せたい金額は1万円未満が多数で、63.5%が目安
事業者課題:AIとECサイトの情報一致がカギ
メルカートは、調査結果からAIが購買の入り口となる時代にEC事業者に求められるのは、価格や在庫といった商品情報を常に正確に保ち、AIに正しく参照させる「LLMO対策」だと指摘。また、購入直前の不安を解消するため、実購入者のレビューやビジュアルUGCなどの一次情報提供が有効としている。
AIが購買の入口となる一方、EC移動時の摩擦で購入機会が失われる実態
AI-EC間の情報連携が成長の鍵に
本調査は、AIとECサイトの「移動摩擦」を具体的な数値で可視化した点で価値が高い。特に価格不一致がネガティブ感情を3倍に拡大する事実は、情報の一貫性が購買完了率に直結することを示す。AIエージェントが購買を代行する未来を見据えれば、EC事業者は商品データの統合・更新体制を早急に整え、AIと連携可能な基盤を構築する必要がある。