年中行事準備におけるECサイト利用と情報源の多様化
季節イベント準備は8割がECサイトを活用
クラウドEC構築プラットフォーム「メルカート」を展開する株式会社エートゥジェイは、季節イベント準備時にECサイトを利用する500人を対象にした調査結果を発表した。バレンタインや母の日、お中元、クリスマスなど年中行事の準備にECサイトを「毎回」「時々」利用すると回答した割合は82.6%に達し、オンラインでのイベント準備が新たな生活インフラとなっている実態が明らかになった。
季節イベント準備時にECサイトを利用する頻度を示す円グラフ。82.6%が利用と回答。
準備開始時期については「1ヶ月以上前」43.0%、「2〜3週間前」41.2%と、計84.2%が早期からイベント準備を進めている。ECの利便性を活かし、余裕を持ったギフト選びや配送手配が定着しつつある。
イベント準備の開始時期を示す円グラフ。2~3週間前や1ヶ月以上前が多い傾向。
クリスマスや母の日でEC利用が顕著
イベント別のEC利用では「クリスマス」(33.6%)、「母の日」(31.6%)、「お正月」(30.4%)、「バレンタインデー」(21.8%)が上位となった。ギフト需要や家族イベントでのオンライン活用が広範な世代・性別で進んでいる。
ECサイトで購入が多いイベントを示す棒グラフ。クリスマスや母の日が上位。
情報源は世代で大きく変化 SNS活用は若年層が主流
購入検討時の主な情報源は「ECサイト商品ページ」29.4%、「購入者レビュー」24.4%と公式情報・第三者評価の両方が重視されている。一方、「SNS」「動画プラットフォーム」も10%近くとなり、特に30代以下では19.3%と突出して高い。
購入検討時に参考にする情報源の割合を示す円グラフ。SNSやレビューも参照。
年代別で購入検討時に参考にする情報源を示した表。若年層はSNS傾向が強い。
60代は「公式商品ページ」や「レビュー」を重視する傾向が強い一方、若年層はインフルエンサー発信やSNSの“クチコミ”を軸に商品選びをしており、EC事業者はチャネルごとの情報最適化が求められている。
価格・配送条件・レビューが購買決定を左右
購入決定の要素としては「価格の安さ」22.0%、「送料無料など配送条件」15.4%、「レビューや口コミの信頼性」11.8%が上位。特に現代の節約志向や物価高を背景に、コストパフォーマンスや第三者評価が大きな影響を持っている。
ECサイト利用時の購入決定要素を示す円グラフ。価格や送料無料が重視されている。
割引・ポイント還元などお得感が支持される
ECサイトに求めるサービスでは「割引・送料無料・ポイント還元」が52.2%と過半数。加えて「割引・クーポン情報」(50.2%)や「商品の使用例・レビューまとめ」(39.2%)「人気商品ランキング」(37.6%)など、購入判断を後押しする情報への要望も高い。
ECサイト利用時に嬉しいサービスや特典を示す円グラフ。割引やポイント還元が人気。
ECサイトに求められる「体験価値」とAI活用の可能性
調査を踏まえた分析では、世代や利用頻度による情報行動の違いに対応したチャネル設計やパーソナライズ体験が今後のEC運営に不可欠と指摘。レビューやランキングの自動集約、AIによるレコメンド強化、検索精度向上など、“体験価値”と“探索性能”の両立が競争力の源泉になるとされる。
また、ユーザーが「楽しい」と感じる要素として「特別なキャンペーンやイベント」「季節感のある商品ラインナップ」が多く挙がり、単なる利便性だけでなくワクワク感や発見体験の設計も今後の成長に不可欠とされた。
世代ごとの情報行動変化とEC体験最適化の重要性
今回の調査から、ECサイトの利用が季節イベント準備に広く浸透するとともに、情報収集チャネルの多様化が進んでいることが示された。EC事業者は、世代やチャネル特性に応じた情報発信やユーザー体験設計、AIを活用したパーソナライズ強化が競争力の分かれ目となる。