イーベイジャパン2025年第2四半期越境ECレポート
トレーディングカードが市場成長を牽引
イーベイ・ジャパンが発表した2025年第2四半期(4-6月)の越境ECレポートによれば、日本セラーによる海外販売はトレーディングカードや中古ゲーム機の好調により、前年同期比で大きく成長しました。特にポケモンカードは新商品の投入やプロモーション強化で第1四半期に続く伸びを記録。新弾ボックスは前年同期比2倍以上の売上を達成し、鑑定済み高額カードは日本から約561万円で取引されるなど、プレミアム市場も拡大しています。
2025年4月発売のポケモンカード「ロケット団の栄光」ボックス。今期の売上成長を牽引した注目商品です。
eBay USやUKと連携した特設ページやプロモーションが、ポケモンカードなど日本発コレクティブル商品の海外認知度向上に寄与しました。コレクティブルカテゴリ全体でも米国市場からの需要が引き続き強い状況です。
中古ゲーム機や自動車パーツも堅調
ビデオゲーム(本体)カテゴリーは前年同期比約1.3倍の成長を記録。中古のニンテンドー3DSなどが、eBay Refurbishedプログラムによる整備済み商品として再流通し、消費者からの信頼と需要を集めました。大手セラーの参画も売上拡大に貢献しています。
eBay Refurbishedプログラムで販売される整備済みニンテンドー3DS本体。中古ゲーム機の売上が好調です。
自動車パーツ分野も前年同期比約1.2倍、バイクパーツは同1.5倍と伸長。特に1990~2000年代のスポーツカーやSUV用補修パーツや、日本製バイク純正部品が米国市場を中心に高い需要を維持。品質と信頼性に対する海外バイヤーの支持が背景にあります。
日本製ツールやアニメグッズにも注目
ツール&ワークショップ機材では、日本の大工道具や精密工具が前年同期比1.5倍の伸びを示しています。DIYや職人向けに“日本製=高品質”のブランドイメージが浸透し、Vesselの電動スリムラチェットなどの製品が人気です。
eBayでの人気検索ワードTOP100では、「ちいかわ」や「Ado」「ONE PIECE」など日本のアニメグッズが上位に登場。Adoのぬいぐるみは43位まで急上昇し、ONE PIECE原画が約1060万円で取引されるなど、グローバルなファン層の厚みを示しています。
ブランド品・スニーカーの取引活発化
ハイブランドカテゴリではLouis Vuittonが検索数1位、日本セラーの売上でも4割弱を占めます。関税制度の影響を受けながらも、GucciやCoachの売上は前年同期比で1.2〜1.5倍と堅調です。
メンズスニーカーではAsicsやOnitsuka Tigerが引き続き高い人気。デミニミス・ルールの適用範囲となる価格帯の商品が売れ筋となり、Asicsは前年同期比1.25倍、Brooks、Merrell、Salomonなども約1.3倍以上の成長を見せています。
米国依存から多地域展開へ戦略転換
米国のデミニミス・ルール(800ドル以下関税免除)により日本セラーの米国向け取引が今期も好調でしたが、今後は米国関税政策の変更が大きな転換点となる見通しです。イーベイ・ジャパンが日本セラー約4.2万件を対象に実施したアンケートでも、「アメリカ以外の市場への参入」や「新たな商材・原産国への切り替え」を重視する声が上位となっています。欧州やオーストラリアなど多地域への販路拡大が今後の重要戦略となりそうです。
日本セラーがアメリカ以外で注目する市場のアンケート結果をランキング形式で示した図です。
関税政策変化と販路多角化の必要性
イーベイ・ジャパンの2025年第2四半期レポートから、米国市場の関税政策変更が日本セラーにとって大きなリスクとなりつつあることが浮き彫りになりました。今後は欧州やアジアなど多地域展開へシフトし、人気カテゴリや日本の強みを生かした商品開発・販路拡大が生き残りの鍵となります。