全国小売店舗における防災対策実態調査
防災用品の備蓄は進むも避難訓練やマニュアル整備に課題
卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」を運営する株式会社ラクーンコマースは、防災の日を機に全国の小売店舗を対象に防災対策の実態調査を実施した。調査結果からは、防災用品の備蓄が進む一方、避難訓練や災害時対応マニュアルの整備は依然として遅れている現状が明らかになった。
防災対策の見直しは4割に留まる
過去1年以内に防災対策を見直したと回答した店舗は42%にとどまり、58%は見直しを実施していないことが分かった。自然災害が頻発する中で、対策の定期的な見直しが十分に浸透していない。
小売店舗における防災対策の見直しや追加の実施状況を示す円グラフです。
防災用品の備蓄状況
最も多く備蓄されている防災用品は懐中電灯・ランタン(77%)、次いで感染症予防・衛生用品(73%)、飲料水(63%)となった。応急処置用品や食料品も半数以上の店舗が備蓄しているが、発電機や簡易トイレなど長期的なインフラ寸断を想定した用品は十分に整備されていない。
店舗で常備されている防災用品の種類と割合を示す棒グラフです。
避難訓練とマニュアル整備は依然低調
避難訓練を実施していない店舗は77%に上り、マニュアル未整備も71%を占める。特に「作成予定はない・わからない」との回答が58%で、現場での実践的な対応が不十分であることが浮き彫りとなった。
災害時対応マニュアルの有無と把握状況を示す円グラフです。
情報収集手段はスマートフォンが中心
災害時の情報収集手段として、スマートフォンの緊急速報を利用している店舗は92%に達し、地域の防災無線やテレビ、ラジオも4割台で活用されている。複数の情報源を組み合わせて状況把握に努める店舗が多い結果となった。
災害時に利用している情報収集手段の割合を示す棒グラフです。
7割超が災害時対応に不安感
営業中に災害が発生した場合、「非常に不安」「やや不安」と回答した店舗が合計71%を占めた。不安要因としては「避難誘導」「建物・施設リスク」「商品・備蓄リスク」などが上位に挙げられ、実践的な対応力の不足や物理的な課題への懸念が目立つ。
営業中に災害が発生した場合の不安感についての調査結果円グラフです。
防災力強化には実践的対策が不可欠
今回の調査から、小売店舗における防災備蓄の充実は一定程度進んでいる一方で、避難訓練や災害対応マニュアルといった実践的な対策の遅れが依然として課題となっている。地域の防災力向上のためにも、今後は現場での訓練や指針の整備が喫緊のテーマとなるだろう。