EC発送に関する消費者意識調査と本音

EC発送に関する消費者意識調査と本音

ディーエムソリューションズが運営するEC物流代行サービス「ウルロジ」は、ECヘビーユーザー1,000名を対象に、ECや通販の発送に関する消費者意識調査を実施した。従来の常識とされてきた「翌日配送」の必要性や「送料無料」へのこだわり、梱包やCRM施策の評価など、EC事業者にとって物流戦略を見直す上で重要なデータが明らかになった。

翌日配送ニーズは限定的 消費者の75%超が不要と回答

調査によると、「翌日配送」に対応していない場合でも購買意欲が下がらないと答えたユーザーが75.6%に達した。Amazonなどの大手ECモールと自社ECサイトで意識の差はほとんどなく、消費者の多くは高速配送に固執していない実態が浮かび上がった。EC事業者は無理な翌日配送対応よりも、明確な発送予定日や配送の確実性を重視することが重要と言える。

翌日配送の影響グラフ翌日配送に対応していない場合の購買意欲への影響を示す円グラフと解説です。

365日発送の必要性 約6割が「重要でない」と回答

土日・祝日も発送する365日体制については、「あまり重要ではない」「全く重要ではない」との回答が56.5%に上った。週末や祝日を挟んだ配送遅延にも消費者の多くは一定の理解を示しており、特に中小規模の事業者にとっては平日の業務効率化に注力するほうが費用対効果が高いことが示唆される。

365日発送の重要度円グラフ土日・祝日も発送していることの重要度についての消費者意識を示す円グラフです。

送料有料化への抵抗感 72.5%が違和感を表明

消費者の72.5%がECや通販で送料を支払うことに違和感を覚えると回答しており、「送料無料」文化が根強く残っていることが裏付けられた。送料の有料化や値上げは顧客離れのリスクとなるため、「5,000円以下で送料無料」など納得感のある設定や、送料込み価格の明示が重要だ。

送料有料化の違和感グラフEC・通販で送料を払うことへの違和感についての調査結果を示す円グラフです。

梱包に求められるのは「開けやすさ」や適正サイズ

梱包に関しては、55.8%が「過剰すぎない最適サイズ」、47.9%が「開封・後処理がしやすい」ことを重視すると回答。一方で「ブランドイメージを体現した梱包」は8.1%に留まり、実用性重視の傾向が鮮明となった。コストを抑えつつ顧客満足度を高めるためにも、開封性や適正サイズの資材選定がカギとなる。

梱包満足度調査グラフECサイト・モールでの梱包に関する消費者の満足度要因を示す棒グラフです。

「ひと手間」の価値 4割超が丁寧な対応に好意的

丁寧な梱包やメッセージカードなどのCRM施策に43.4%が価値を感じると回答。発送遅延や送料有料などネガティブな要素を和らげる効果が期待できるため、特別な対応を必要に応じて取り入れることで顧客ロイヤリティ向上が見込める。

CRM施策の価値円グラフ丁寧な梱包やメッセージカードなどのCRM施策の価値についての調査結果円グラフです。

カゴ落ちの最大要因は「想定外の送料」

購入手続きの最終画面で54.5%が「カゴ落ち」経験ありと回答。理由は「送料が高かった/有料だった」が最多の49.7%、次いで「お届け日が遅かった」36.9%となった。商品ページやカート段階で送料と配送リードタイムを明示し、「決済前のサプライズ」を防ぐUI/UX改善が成約率向上の鍵となる。

EC事業者が従来重視してきた配送スピードや365日対応

今回の調査により、EC事業者が従来重視してきた配送スピードや365日対応、ブランド訴求型梱包に対し、消費者の本音は必ずしも一致しないことが明らかとなった。送料有料化への根強い抵抗感や、UI/UXの透明性の重要性が示された今、コスト最適化と満足度向上の両立には、発送確実性や顧客視点のサービス設計が不可欠となりそうだ。

広告