国内EC担当者の売上成長鈍化と海外展開への関心
東南アジア・台湾最大級のEコマースプラットフォームShopee日本法人の調査により、日本国内ECサイト運営者の大多数が売上成長の鈍化を実感し、海外展開への強い関心を持ちながらも、物流や言語対応などの課題が実際の進出の壁となっている実態が明らかになった。
国内EC事業の成長鈍化と主要要因
調査によると、直近1年間の売上成長率が『低下している』と回答したEC担当者は41.8%に上り、『横ばい』を含めると実に73.6%が成長停滞を感じている。売上成長が鈍化した主な理由として、『同業他社との価格競争の激化』(29.6%)、『新規顧客獲得の難化』(18.5%)、『広告費の高騰』(17.3%)などが挙げられた。物価の高騰や少子化といったマクロ環境の変化も背景に見られた。
直近1年間の売上成長率についての回答を円グラフで示しています。
売上成長が鈍化している要因を示す棒グラフで、価格競争激化などが上位です。
国内市場の限界と売上向上策
85.5%が『国内EC市場のみでは売上成長に限界を感じる』と回答。売上向上の施策としては『商品ラインナップの拡充』(50.0%)、『自社ブランド商品の開発』(44.7%)、『CRM施策や会員制度など既存顧客のリピート強化』(42.6%)が上位となったが、抜本的な成長にはつながっていない現状が示唆された。
国内EC事業の売上を伸ばすために実施している施策の割合を示す棒グラフです。
越境ECへの高い関心と進出の障壁
海外市場への展開(越境EC)を『してみたい』と回答した担当者は81.8%と高水準。一方で、実際に踏み出せない理由として『国際配送の手続きが複雑で分からない』(52.2%)、『初期投資や固定費用が高そう』(37.8%)、『現地の言語でのカスタマー対応ができない』(30.0%)が主な障壁に挙げられた。
海外市場への展開(越境EC)をしてみたいかの意向を円グラフで示しています。
海外市場への展開に挑戦できない理由の上位項目を棒グラフで示しています。
越境EC普及のための支援ニーズ
越境ECを始めるために望まれるサポートとしては、『初心者向けの始め方セミナー』(42.2%)、『売れる商品や価格設定のアドバイス』(41.1%)、『国際送料を安くする仕組み』(37.8%)が多く挙げられた。言語対応や現地対応のサポート、実際に成功した企業の事例紹介なども求められている。
今後のEC市場に求められる変革
国内EC事業者の多くが成長鈍化を実感しつつも海外展開へ積極的な意向を示しており、国内市場の限界を突破するための越境ECへの取り組みが今後一層重要となる。事業者が直面する物流・言語・コスト・ノウハウ不足などの障壁に対し、プラットフォームやサポート体制の整備が普及のカギとなるだろう。
越境EC普及に必要な実務的サポート
今回の調査から、国内EC市場の成長鈍化を受けて多くの事業者が海外展開に活路を見出そうとする一方で、言語・物流・初期費用などの現実的な障壁が参入のブレーキとなっていることが浮き彫りとなった。プラットフォーム各社には、障壁を下げる具体的なサポートや情報提供、成功事例の共有が今後ますます求められる。