1品50円未満の値上げで4割超が別商品に切り替え、6割超がまとめ買い・特売を活用

1品50円未満の値上げで4割超が別商品に切り替え、6割超がまとめ買い・特売を活用

株式会社カウシェが2026年8月に実施した調査によると、98.6%が値上げによる家計負担を実感しており、うち82.6%が「とても感じている」と回答した。1品あたり50円未満の値上げでも42.7%が別の商品に切り替えると答え、100円未満では75.0%に達する。消費者の価格感応度が極めて高まっている実態が浮き彫りとなった。

50円未満の値上げが分岐点、4割超が商品を変更

いつも購入している食品が1品あたりいくら値上がりしたら買うのをやめるか、または別の商品に変えるかを尋ねたところ、最も多かったのは「50円〜99円」で32.3%、次いで「30円〜49円」が26.9%だった。「50円未満」での切り替えを選んだ層は合計42.7%にのぼり、わずかな価格上昇でも消費者は行動を変えている。一方、「金額にかかわらず買い続ける」と答えたのは6.6%にとどまった。

1品50円未満の値上げで42.7%が別商品に切り替える傾向

100円に満たない値上げで4人に3人が手に取る商品を変更している計算となり、小幅な値上げでも消費者の購買行動に大きな影響を与えていることが分かる。

値上げ閾値

50〜99円や30〜49円の値上げで多くが購入商品を見直す結果

負担実感は98.6%、8割超が「とても感じている」

値上げによる家計への負担を尋ねたところ、「とても感じている」が82.6%、「多少感じている」が16.0%で、合計98.6%が何らかの負担を感じている。特に「とても感じている」層が8割を超えており、負担感の強さが際立つ結果となった。

家計負担98.6%

98.6%が値上げで家計負担を実感、うち82.6%は強く感じている

買い物行動の変化、まとめ買い・特売が6割超

値上げによって変えた行動の1位は「まとめ買い・特売を意識するようになった」で61.4%だった。続いて「賞味期限間近品などを買うようになった」41.5%、「規格外野菜・訳あり品を買うようになった」41.4%、「外食を減らした」36.1%と続く。価格を比較して選ぶ行動が上位を占め、9割近くが何らかの形で買い方を変更している。

買い物行動の変化

まとめ買いや特売を意識する人が最多で賞味期限間近品や規格外も選ばれる

9月の冷凍食品値上げに注目、アイス・冷菓が最多

2026年9月は冷凍食品の値上げが集中し、冷凍食品大手が価格改定を予定する。値上げされたら困る冷凍食品の1位は「アイス・冷菓」で55.4%、2位は「冷凍うどん・そば・パスタ」49.8%、3位は「冷凍餃子」37.3%となった。お弁当用冷凍食品も29.7%が挙げており、日常の食卓に直結する品目で不安が強い。

困る冷凍食品

アイスや冷凍うどん・そばが値上げで困る上位、冷凍餃子や惣菜も挙がる

頼りの食品は特売品・見切り品、冷凍食品は6位

この1年、値上げ対策として頼りにしてきた食品の1位は「特売品・見切り品」で62.1%だった。以下、「もやし・豆腐などの低価格食材」47.7%、「プライベートブランド(PB)商品」47.1%、「規格外野菜・訳あり品」43.4%と続く。冷凍食品は26.4%で6位にとどまり、節約策としての冷凍食品への依存度は想定よりも低い。1年前と比べた冷凍食品の購入量も「増えた」は27.7%で、「変わらない」が50.1%を占めた。

頼りの食品

特売品・見切り品が最も頼られ、もやしや豆腐、PB商品も対策の中心

自由回答では「冷凍食品は高いし少ないので、手作りして冷凍するようになった」という声が複数寄せられ、市販の冷凍食品から手作り冷凍へのシフトがうかがえる。

値上がり実感は卵・乳製品が最多、冷凍食品は10位

今年特に値上がりを感じた食品の上位は「卵・乳製品」67.0%、「お菓子・飲料」66.6%、「野菜」66.3%、「肉類」64.4%だった。冷凍食品は45.4%で10位にとどまり、9月の値上げ前までは生活者の関心の中心にはなっていなかったことが分かる。

値上がり実感食品

卵・乳製品やお菓子、野菜など多くの食品で値上がり実感が高い傾向

それでも支出を続けるもの、お米などの主食が5割超

値上げが続いてもお金をかけ続けているものの1位は「お米などの主食」で53.7%だった。2位は「家族の好きな食べ物」46.1%、3位は「コーヒー・お茶などの嗜好品」41.4%。「特にない」は5.3%にとどまり、多くの消費者が削るものと守るものを線引きしている姿が浮かび上がる。

支出優先項目

お米など主食や家族の好物、コーヒー・嗜好品は支出を続ける優先項目

50円の壁が示す消費者の節約限界

本調査は、消費者がわずか50円未満の値上げで購買行動を変えることを示しており、ECや小売業にとって価格設定の重要性が一段と高まっている。特に冷凍食品の値上げが集中する9月、特売品や見切り品、PB商品への需要がさらに拡大する可能性が高い。消費者は主食や嗜好品など譲れない領域を守る一方、価格差に敏感な商品ではブランドスイッチが加速する。EC事業者は、価格訴求だけでなく、まとめ買いや賞味期限間近品の扱いなど、買い物体験全体で差別化を図る必要がある。

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