クラシコム初の書籍『熱狂しない経営』予約開始、日経クロストレンドが解剖

クラシコム初の書籍『熱狂しない経営』予約開始、日経クロストレンドが解剖

日経クロストレンドがクラシコムのビジネスを徹底解剖した初の書籍を発売

日経BPのマーケティング専門メディア「日経クロストレンド」は、2026年9月21日に新著『熱狂しない経営 「北欧、暮らしの道具店」クラシコムが20年磨き続けた“らしさ”の正体』を発行する。発売に先立ち、Amazonで予約受付を開始した。定価は2200円+税、四六判・400ページの構成となる。

新刊表紙『熱狂しない経営』の表紙。日経BP刊、2026年9月21日発売、Amazonで予約開始

本書は、約4年にわたる単独取材を基に、ECサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムの経営、マーケティング、ブランディング、商品開発、人事など多岐にわたる領域を解説する。同社が愛され成長し続ける根底にある「らしさ」の生成、実装、進化のプロセスを追う内容だ。

クラシコム、顧客接点1100万超でも「熱狂させない」戦略

「北欧、暮らしの道具店」は2007年9月にECサイトとしてスタート。SNSフォロワーやYouTube登録者、アプリダウンロード数、メルマガ会員数などの顧客接点は2026年7月時点で1100万を突破している。22年8月の上場後も成長を続け、EC売上の6割をアプリ経由が占めるなど、ユニークなビジネスモデルを確立してきた。

同社の特異な点は「バズらせない、煽らない、依存させない」というスタンス。KPIを設けないSNS運用、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の柔軟なチューニング、あえて熱量を高めない社内コミュニケーションなど、多くの企業の定石とは異なる手法を取る。社員の8割が元顧客という循環が、ブランドの強固さを象徴している。

5つのステークホルダーとの「同じ顔」の向き合い方を解く

本書は、クラシコムが「自分たち」「働く仲間」「お客さま」「他企業」「パブリック(社会)」という5つの相手とどう向き合ってきたかを軸に構成。各章では、MVV経営の本質、独自の採用・人事制度、コンテンツ戦略、PB商品開発、広告・買収戦略、上場の意味などが詳述される。

AI時代に機能価値の差別化が難しくなる中で、企業に求められるのは「オーセンティシティ(真実性)」と「インテグリティ(誠実さ・真摯さ)」だと指摘。クラシコムはこれらの概念が注目される以前から実践してきた企業として、現代のビジネスパーソンに示唆を与える内容となっている。

らしさの言語化が示す新たな経営指標

本書の価値は、急成長しながらも熱狂に依存しないクラシコムの手法を、長期取材で言語化した点にある。バズやKPI偏重のマーケティングに疑問を感じる経営者やマーケターにとって、一貫性と誠実さを軸にした経営の好事例として参考になる。AIによる情報の透明性が高まる市場では、真実性こそが競争優位の源泉となり得ることを示唆している。

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